ITRON Newsletter No.37 (HTML Edition)

(社)トロン協会 ITRON専門委員会
〒108-0073 東京都港区三田1丁目3番39号 勝田ビル5階
TEL: (03) 3454-3191 FAX: (03) 3454-3224

目次

ITRONニュースレターについて
ITRON専門委員会 米国支部の設立に向けて
JCGプロジェクトの開始
ITRONオープンセミナー開催のお知らせ
ESS'99 システムLSIソリューションフェアにおける講演のお知らせ
CPUコードの追加割当て
ITRON関連書籍の一覧
関連製品紹介
ソフトロジック ISaGRAF by コマツ
文献紹介

ITRONニュースレターについて

ITRON専門委員会では、ITRONプロジェクトに関連する最新の情報やITRON専 門委員会の活動を広くお知らせするために、2ヶ月に1回ニュースレターを発行 しています。ITRON仕様の追加・訂正に関する情報や、ITRON専門委員会が発行 している書籍の訂正情報は、ITRONニュースレター上でお知らせしています。 また、ITRON仕様に関連する製品の紹介、書籍や文献の紹介、展示会やセミナ ー等のイベントのお知らせにも、ニュースレターを活用しています。

ITRONニュースレターは、TRONWARE誌およびトロン協会の機関誌に掲載され ます。また、ITRONホームページからも読むこ とができます。ITRONニュースレターに記事の掲載を希望される方は、ITRON専 門委員会までご連絡ください。また、ITRONプロジェクトおよびITRON仕様に関 する質問・コメント・要望等についても、ITRON専門委員会までお寄せくださ れば幸いです。

ITRON専門委員会 米国支部の設立に向けて

ITRON専門委員会では、ITRON仕様を国際的な標準とすることを目指して、 1999年度よりITRON専門委員会 米国支部の活動を開始します。米国支部は、米 国におけるITRONプロジェクトの支援者を増やすことを中期的な目標とし、将 来的にはITRON仕様の標準化活動(の一部)を国際的に(英語で)行うことま で視野に入れたものです。

初年度となる1999年度は、年に2〜4回のミーティングを行い、ITRON仕様の 米国における普及・広報活動について検討します。メンバの資格や会費につい て、当面は米国支部向けの新たな規則を作らず、現在のITRON専門委員会と同 一とします。なお、初年度の米国支部長には、トロン協会米国連絡事務所の James Farrell氏を予定しています。

ITRON専門委員会では、米国支部の設立をきっかけとしてこれまで以上に、 海外の企業に対してITRONプロジェクトへの積極的な参加を呼びかけていきた いと考えています。米国支部の活動への参加に興味をお持ちの方は、ITRON専 門委員会までご連絡ください。

JCGプロジェクトの開始

トロン協会では、情報家電を代表とする組込み機器のための分散ソフトウェ アプラットフォームを提供することを目的に、μITRON仕様のリアルタイムカ ーネル上で動作するソフトウェア部品群(ミドルウェア)の開発を行うことと なり、ITRON専門委員会がその実施にあたることとなりました。この開発プロ ジェクトを、JCGプロジェクトと呼んでいます。

JCGプロジェクトは、μITRON仕様のリアルタイムカーネル上で情報家電を ネットワーク接続するためのソフトウェア部品群を実装し、組込み機器の操作 性の向上や組込み機器相互間の接続性の確保と、ソフトウェア開発の効率化を 目指すための土台を提供するとともに、品質の高いソフトウェア部品を充実さ せることによりμITRON仕様のより一層の普及を図ることを目的としています。 具体的な開発内容は、(1) JTRONプラットフォーム、(2) 組込みCORBA、(3) GUIミドルウェアの3つからなります。

JTRONプラットフォームは、1998年10月に公開したJTRON2.0仕様のリファレ ンス実装を行うものです。JTRON2.0仕様では、Java実行環境上のプログラムと μITRON仕様カーネル上のタスクとの間の通信機構について、タイプ1〜3の3つ の方法を定義していますが、JCGプロジェクトではそのすべての実装を行いま す。Javaバイトコード処理系(JVM)については、既製品を組み込んで利用し ます。

オブジェクト指向分散プラットフォームの標準仕様としてCORBA(The Common Object Request Broker: Architecture and Specification)がありま すが、情報家電などの小規模な組込みシステムに適用するには、実装コストや リアルタイム性の点で問題あることが指摘されています。JCGプロジェクトで は、これらの問題点を解決するCORBAをもとにしたソフトウェアプラットフォ ームの開発を行います。

GUIミドルウェアは、μITRON上に実装可能な、コンパクトでスケーラビリ ティの高いGUI(Graphical User Interface)構築支援のためのソフトウェア 部品を開発するものです。具体的には、必要なモジュールのみを利用できるこ とに加えて、個々のモジュールの機能も用途に応じて最適化できるようなメカ ニズムを設けます。

なお、このプロジェクトは、情報処理振 興事業協会(IPA)が公募した「次世代デジタル応用 基盤技術開発事業」の採択テーマの1つとして推進されているものであり、 開発期間は1999年度末までの予定です。開発終了後、JCGプロジェクトの成果 物はフリーソフトとして無償で公開されるほか、OEM目的での改造や異なるハー ドウェアプラットフォームへの移植についても、対応窓口を設ける予定です。

ITRONオープンセミナー開催のお知らせ

今年のITRONオープンセミナーを、6月30日(水)と7月1日(木)の両日に、日 本教育会館(東京都千代田区)において開催します。今回は、ITRONオープン セミナーの前身であるITRON製品セミナーから通算して10回目のセミナーで、 それを記念して2日間の日程で開催します。

セミナーのプログラムは現在検討中ですが、初日の6月30日は例年通り ITRONプロジェクトに関する最新の動向を紹介するセミナーとし、2日目の7月1 日にはμITRON4.0仕様など最新のITRON仕様の詳細を解説するチュートリアル (昨年は、ITRON仕様セミナーの名称で別の日程で開催しました)を行う予定 です。また、初日のセミナー終了後には懇親会も予定しています。プログラム の詳細や申込方法は次号でお知らせする予定です。今年も多数のご参加をお待 ちしています。

ESS'99 システムLSIソリューションフェアにおける講演のお知らせ

5月12日(水)〜14日(金) に、東京ビッグサイト会議棟において開催される Embedded System Solutions '99 システムLSIソリューションフェア(主催: 日本電子工業振興協会)のコンファレン スにおいて、ITRONプロジェクトの最新状況を紹介する講演を予定しています。 現時点で詳細は未定ですが、詳細が決まり次第、ITRONホームページなどでお知らせする予定です。

CPUコードの追加割当て

ITRON仕様の get_ver システムコールで返すCPUコードを、次の通り追加割 当ていたしましたので、お知らせします。この他のCPUコードの割当ては、 μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版の4.2節(μITRON3.0標準ハンドブック 7.1節およびITRONニュースレター No.26) に掲載されています。

B'10001000(H'88)モトローラ MPC800ファミリ (PowerPC 8xx)
B'10010000(H'90)ARM ARM7
B'10010001(H'91)ARM ARM7TDMI
B'10010010(H'92)ARM ARM9TDMI
B'10011000(H'98)ARM StrongARM-1
B'0001010000000000(H'1400) モトローラ ColdFire 2/2M(52xx)
B'0001010000000001(H'1401) モトローラ ColdFire Version 3(53xx)
B'0001010000000010(H'1402) モトローラ ColdFire Version 4(54xx)
B'0001010000010000(H'1410) モトローラ M-CORE M200ファミリ
B'0001010000010001(H'1411) モトローラ M-CORE M300ファミリ
B'0001010100000000(H'1500) ナショナルセミコンダクタ CR16

CPUコードが未割当てのプロセッサ用にITRON仕様のOSを開発された場合で、 CPUコードが必要となる場合には、ITRON専門委員会までご相談下さい。

ITRON関連書籍の一覧

1999年2月1日時点で、ITRON専門委員会が編集し、発行されているITRON関 連の書籍は別表の通りです。ご希望の方は、各発売元にお問い合わせ下さい。

μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版には、μITRON3.0仕様の最新バージョ ン (Ver 3.02.02) が収められています。旧版のμITRON3.0標準ハンドブック (Ver 3.00.00) から Ver 3.02.00 への改訂点は、ITRON標準ガイドブック2 に 掲載されています。Ver 3.02.00 から Ver 3.02.02 へは、構成の変更や説明 の追加だけで、仕様の技術的な内容の変更はありません。

ITRON・μITRON標準ハンドブックは、μITRON Ver 2.0 と ITRON2 の仕様 書を1冊にまとめたものです。発行元で品切れとなったため、発行元のホーム ページで公開されています。

ITRON標準ガイドブック2 は、μITRON3.0仕様をメインのターゲットとして 作成されています。ITRON標準ガイドブック'92-'93は、タイトルの期間を過ぎ ていますが、μITRON仕様 Ver 2.0 や ITRON2仕様を使われている場合には、 現在でも有効に活用できます。

ITRON関連書籍一覧
書籍名 分類 価格 発行元 発行年 ISBN番号
ITRON・μITRON標準ハンドブック 和文仕様書 発行元品切れ パーソナルメディア 1990 ISBN4-89362-079-7
μITRON3.0標準ハンドブック 改訂新版 和文仕様書 4,000円 パーソナルメディア 1997 ISBN4-89362-154-8
ITRON標準ガイドブック'92-'93 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1992 ISBN4-89362-197-6
ITRON標準ガイドブック2 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1994 ISBN4-89362-133-5
ITRON TCP/IP API仕様 (Ver. 1.00.01) 和文仕様書 トロン協会 1998
JTRON2.0仕様 (Ver. 2.00.00) 和文仕様書 トロン協会 1998
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 英文仕様書 12,000円 トロン協会 1989
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 英文仕様書 15,000円 トロン協会 1990
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 英文仕様書 トロン協会 1994
μITRON3.0: An Open and Portable Real-Time Operating System for Embedded Systems 英文仕様書 $40.00 IEEE CS Press 1997 ISBN0-8186-7795-3
※ 価格には消費税を含みません。
※ トロン協会会員に対しては、会員価格が設定されています。
※ トロン協会発行の仕様書は、
ITRONホームペー ジで公開しています。

関連製品紹介

ここでは、ITRONに関連する開発ツールやソフトウェア部品等について、簡 単な紹介をします。

ソフトロジック ISaGRAF
コマツ

ISaGRAF は制御用アプリケーションの開発・実行ツールです。よりオープ ンな実行環境、より効率的な開発環境でエンジニアリングコストの低減に貢献 します。

【プラットフォーム・フリーのプログラム実行環境】

標準で DOS、WindowsNT、OS-9、VxWorks に対応。オプションの開発ツール キットで独自のプラットフォームへの移植も可能です。従来の PLC の機能+ HMI といった機能も実現できます。移植実績としてはμITRON をはじめ WindowsCE、 InTime、RTX、QNX、OS/2、Windows95-RT などがあります。

【オープンな仕様】

プログラム言語は世界標準の IEC61131-3 とフローチャートで記述します。 またファンクションブロックを IEC言語/C言語で開発し、ライブラリに登録 して活用できます。

【効率的なアプリケーション開発環境】

Windows パソコンでの開発、シュミレーション実行を実現しています。ま た、実行時のアプリケーションのオンライン修正、変数のモニタや書き換え、 I/Oの仮想化も可能です。デバッガはグラフやアイコンなどで変数をグラフィ カルにモニタできます。さらにクロスリファレンス、プログラムのベリファイ 機能などデバッグ機能も充実しています。

【多国語対応の開発環境】

日本語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、中国語、イタリア語 (予定) に対応しています。

【問い合わせ先】

ISaGRAF に関する詳細は、 http://www.komatsu.co.jp/el/isagraf/をご覧ください。

文献紹介

システム制御情報学会の学会誌 である「システム/制御/情報」の1999年1月号に、高田広章氏(ITRON専門委員 会 幹事/豊橋技術科学大学)と田丸喜一郎氏(ITRON専門委員長/(株)東芝) による「オープン化のためのリアルタイム技術とITRONプロジェクトにおける 取組み」というタイトルの記事が掲載されています。この記事は、FAオープン 化特集の中の記事の1つで、組込みシステム開発のオープン化に伴って必要と なるリアルタイム技術として、ハードリアルタイムスケジューリング理論の基 礎を解説するとともに、ITRONプロジェクトにおける取組みとして、アプリケー ション設計ガイドラインについて紹介しています。

情報処理学会の学会誌である「情 報処理」の1999年3月号は、トロンプロジェクト15周年の特集を組んでいます。 ITRONプロジェクトに関しては、「ITRONサブプロジェクト −第2フェーズへの 展開−」というタイトルで、ITRONプロジェクトのこれまでの活動とその成果 を概観し、現在進行中の第2フェーズの標準化活動の狙いと現時点までの成果 を紹介する記事が掲載されています。記事の著者は、高田広章(ITRON専門委 員会 幹事/豊橋技術科学大学)、田丸喜一郎(ITRON専門委員長/(株)東芝) の両氏です。


※ このニュースレターは、TRONWARE vol.56 に掲載されたものを、WWW で公開するために再編集したものです。

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