コース B — 都市モビリティ:CADL × SUMO で SoS を設計する
⬅ コース A — ロボット配送 に戻る
- 対象:コース A(CADL/SoS-DSL の基礎)を済ませた方
- 所要時間:60〜90 分
- 完成すると手元に残るもの:タクシー需要を題材に自分で手を入れた
mobility_sos.cadl、SUMO で走るシミュレーション、シミュレーション結果を CADL 契約のguarantee節に照らして判定したレポート
0. このコースで何が起きるか
メイン教材(コース A)はロボット配送 SoS を題材に CADL → SoS-DSL → Unity C# を扱いました。 コース B では題材を都市モビリティ(タクシー)に、コード生成のターゲットを SUMO に差し替えます。 CADL/SoS-DSL の文法はそのままです。
mobility_sos.cadl
│
├─ cadl check ← 型検査
├─ cadl sim-ir ─► IR JSON
│ │
│ ├─► cadl-explorer (Lifecycle View)
│ │
│ └─► cadl_to_sumo.py ← ★ コード生成
│ ├─► SUMO sumocfg
│ └─► 契約制約 JSON
│
└─ (需要データ CSV) ─► generate_sumo_routes.py
↓
SUMO 実行 ─► tripinfo.xml
↓
analyze_results.py(guarantee の判定)
↓
繰り返し:CADL の guarantee / deadline を改訂
参照実装は mobility-sos-exercise リポジトリにあります。
mobility-sos-exercise は現時点では非公開です。以下のコマンドは、このリポジトリへのアクセス権があることを前提にしています。アクセス権がない場合も、本ページは CADL をモビリティ SoS に適用する事例として読めます。
1. セットアップ
cadl_repo と cadl-explorer の準備はコース A と同じです。
コース B で新しく必要になるのは SUMO だけです。
# 演習リポジトリは現時点では非公開です。
# 提供されたコピーを ~/program/mobility-sos-exercise に置いてください。
cd ~/program
# 演習用 venv
cd mobility-sos-exercise
python3 -m venv .venv
source .venv/bin/activate
python3 -m pip install --upgrade pip
pip install -r requirements.txt
# SUMO(どの OS でも pip 経由が手軽)
pip install eclipse-sumo
# CADL コンパイラ:コース A でクローンしたものをこの venv にインストールする
# (`cadl` と演習スクリプトを同じシェルで実行できるようにするため)
pip install -e ~/program/cadl_repo
cadl --version
# cadl-explorer:コース A の Step 4 と同じ
pip install -e ~/program/cadl_repoの途中でz3-solverのビルドに失敗する場合は、pip install --no-deps -e ~/program/cadl_repoのあとにpip install lark pyyamlを実行してください。 本ハンズオンで使うのはcadl checkとcadl sim-irだけなので Z3 は不要です。
2. SoS の構造を読む(5 分)
cadl/mobility_sos.cadl を開き、sos: ブロック内の actors: を見てみましょう(抜粋)。
sos:
name: "MobilitySoS"
type: Acknowledged
actors:
- id: PLATFORM
autonomy: low # 中央のマッチング権限
- id: "TAXI[1..N]"
autonomy: high # 自己利益で動くタクシー群
- id: "PASSENGER[1..M]"
autonomy: medium # サービスの要求者
読み方は次の通りです。プラットフォームは中央の調整役で、自分の判断で動く余地は小さい(autonomy: low)。
タクシーは自分の利益で動く、自律性の高いエージェントです。
乗客は要求を出し、乗るかどうかを判断します。
コース A のロボット配送と同じ Acknowledged 型 SoS です。
ここまでで読んだのは CADL の構造(actors)だけです。 ファイルを検査し、契約の規範部分が IR にどれだけ入っているかを表示してみます。
cd ~/program/mobility-sos-exercise
cadl check cadl/mobility_sos.cadl # → Type check passed: cadl/mobility_sos.cadl
cadl sim-ir cadl/mobility_sos.cadl --format json \
| python3 -c "import sys, json; c=json.load(sys.stdin)['institution']['contracts'][0]; print('lifecycle =', 'present' if c['lifecycle'] else None, '/ monitors =', len(c['monitors']))"
いま読んでいるファイルは完成した仕様で、契約には §3 で読む lifecycle: と monitors: がすでに書かれています。そのため、上のコマンドは lifecycle がある、と表示するはずです。
構造だけだとどうなるかを見るには、作業用のコピーを作り、そこから lifecycle: と monitors: のブロックを削除して、同じ 2 つのコマンドを実行してください。cadl check は通りますが、IR では "lifecycle": null、monitors は 0 個になり、cadl-explorer には図が出ず、「契約が lifecycle: を宣言していない」という警告と、monitor が宣言されていないという案内だけが表示されます。
構造だけでは「期限」「違反」「帰結」を書けない、というこのギャップを埋めているのが、§3 で読む 2 つのブロックです。
3. 契約 (lifecycle + monitors) を読む(10 分)
同じファイルの契約部分です(抜粋。assume: と incentives: のブロック、accept より後の遷移、monitor の waiting_too_long と detour_guard は省略し、各リスト末尾の # ... が省略した要素を表します。コメントは削除し、on_violation: / on_match: はフロー形式で書いています)。
contracts:
- id: RIDE_SLA
parties: [PLATFORM, "TAXI[*]", "PASSENGER[*]"]
guarantee:
- "waiting_time <= 300s"
- "ride_time <= 1800s"
lifecycle:
states: [Requested, Matched, Accepted, PickedUp, Delivered,
Violated, Cancelled, Terminated]
initial: Requested
terminal: [Delivered, Violated, Cancelled, Terminated]
transitions:
- id: match
from: Requested
to: Matched
on: "PLATFORM -> TAXI[i] : match_assignment"
deadline: 30s
on_violation: { transition: Violated, severity: Major }
- id: accept
from: Matched
to: Accepted
on: "TAXI[i] -> PLATFORM : ack(accepted)"
deadline: 5s
on_violation: { transition: Violated, severity: Major }
# ...
monitors:
- id: low_battery_guard
observe: "TAXI[i].battery"
sampling: periodic(500ms)
rule: "TAXI[i].battery < 15 AND state == Accepted"
on_match: { transition: Violated, severity: Critical }
# ...
演習 3-1
この契約は「乗車要求 1 件につきライフサイクル 1 インスタンス」という対応関係になっています。 以下に答えてみてください。
- プラットフォームが 31 秒経っても割り当てを出さなかった場合、状態は何になりますか?
acceptの期限を守る責任があるのは、どの主体ですか?low_battery_guardが発火する条件を 1 文で説明してください。
4. 可視化する(10 分)— 🔍 可視化チェックポイント 1(DSL 後)
§3 で CADL ソースの lifecycle: と monitors: を読みました。
ファイルにこの 2 つのブロックがあるので、cadl-explorer に意味のある図が出ます。
cd ~/program/mobility-sos-exercise
cadl check cadl/mobility_sos.cadl
cadl sim-ir cadl/mobility_sos.cadl --format json > cadl/mobility_sos.ir.json
cd ~/program/cadl-explorer
streamlit run app.py
# ブラウザで http://localhost:8501 が開く
# サイドバー → "Contract Lifecycle" → mobility_sos.ir.json をアップローダにドラッグ
以下のような図がブラウザに描画されます:

| 図の要素 | 意味 |
|---|---|
二重円 = Requested | initial state |
灰色破線枠 = Delivered/Cancelled/Terminated | 通常終端 |
赤系破線枠 = Violated | 違反終端 |
実線エッジ + Δ 30s / Δ 5s | deadline 付き遷移 |
赤の破線エッジ + ラベル violation / Major(2 行) | on_violation による強制遷移 |
図の中で Terminated はどこともつながっていません。契約は Terminated を終端状態として宣言していますが、そこへ入る遷移を書いていないためです。mobility_sos.cadl を Designer ページで開くと、同じことが Lifecycle の警告(State 'Terminated' cannot be reached from the initial state 'Requested')として表示されます。cadl check はこの状態でも通ります。
このコースでは「CADL を編集 → cadl sim-ir で IR を再生成 → cadl-explorer をリロード」という 3 ステップを、節目(構造を読んだ後、契約を読んだ後、コード生成後、シミュレーション後、契約改訂後)でそのつど繰り返します。
コードと図が連動して動く感触をつかむのが、このコースの主目的です。
演習 4-1
cadl/mobility_sos.cadl の match の deadline: 30s を 60s に書き換えて、IR を作り直し、もう一度アップロードしてみてください。
エッジラベルが Δ 30s から Δ 60s に変わるはずです。
確認できたら 30s に戻してから次の章へ進んでください(以降の手順は 30s 前提)。
5. SUMO 用コードを生成する(10 分)
scripts/cadl_to_sumo.py が、IR JSON から SUMO の設定と契約制約 JSON を書き出します。
コース A の cadl codegen --target unity-csharp に相当する、SUMO 向けのコード生成ステップです。
cd ~/program/mobility-sos-exercise
python scripts/cadl_to_sumo.py
出力例(抜粋。スクリプトの進行メッセージは日本語で出力されます):
[1/4] CADL.environment 検証
[OK] grid_size=5 は SUMO ネットワークと一致。
[2/4] contracts → constraints 抽出
- contract RIDE_SLA
guarantees: 2
waiting_time <= 300.0s
ride_time <= 1800.0s
deadlines : 2
match 30.0s (violation→Violated, sev=Major)
accept 5.0s (violation→Violated, sev=Major)
monitors : 3
[3/4] sumocfg 生成 (CADL.time_step_ms / 終端を反映)
✓ step-length = 1.0s
✓ end = 4920s
生成されるもの:
sumo/config/midtown.cadl.sumocfg—step-lengthが CADL のtime_step_msから、endは「sumo/routes/midtown.rou.xmlの最後のdepart+(1800 秒とride_timeguarantee の大きいほう)+ 60 秒」で決まる(サンプルデータでは 3060 + 1800 + 60 = 4920)。経路ファイルがまだない場合は 3600 秒になる。§6 ではgenerate_sumo_routes.pyのあと、run_sumo.pyの前にこのスクリプトを再実行するので、4920 秒になる。§8 のようにride_timeを厳しくしてもendは短くならないsumo/cadl_constraints.json—analyze_results.pyが読む契約条件(guarantees / deadlines / monitors)
cadl_to_sumo.py は IR を読んで SUMO の設定ファイルを書き出すだけで、cadl/mobility_sos.cadl の lifecycle: / monitors: には触れません(§3 のときと 1 バイトも変わりません)。
ここで cadl-explorer をリロードしても、§4 と同じ図が出るだけのはずです。
「コード生成は仕様を書き換えない」というこの性質があるおかげで、CADL を仕様の唯一の出典として扱えます。
6. SUMO シミュレーションを実行する(10 分)
# サンプル需要 CSV の確認
python scripts/prepare_sample_data.py
# SUMO ネットワーク生成(一度だけ)
netconvert -c sumo/network/midtown.netccfg
# CSV → ルートファイル
python scripts/generate_sumo_routes.py
# 経路ファイルができたので sumocfg を作り直す(end = 4920 秒になる)
python scripts/cadl_to_sumo.py
# SUMO 実行(CADL 派生 sumocfg を自動選択)
python scripts/run_sumo.py # ヘッドレス
# python scripts/run_sumo.py --gui # 可視化
完了すると results/tripinfo.xml と results/summary.xml が生成されます。
ヘッドレス実行に必要なのは eclipse-sumo パッケージだけです。--gui は X11 アプリケーションの sumo-gui を起動するため、macOS では XQuartz をインストールして起動しておく必要があります。XQuartz がないと FXApp::openDisplay: unable to open display で止まります。XQuartz をインストールした直後も、いったんログアウトして再ログインするまでは同じエラーになります。再ログインせずに続ける場合は、XQuartz を起動し(open -a XQuartz)、ターミナルで export DISPLAY=:0 を実行してから起動してください。SUMO のウィンドウでは、再生ボタンを押すとシミュレーションが始まります。このコースの以降の手順は、ヘッドレス実行の結果だけを使います。
7. 結果を契約に照らして判定する(10 分)
python scripts/analyze_results.py
出力例(抜粋。見出し行は日本語で出力されます):
=== CADL 契約 (cadl_constraints.json) との遵守チェック ===
contract: RIDE_SLA
-- guarantees --
[OK ] waiting_time <= 300s (tripinfo.waitingTime)
[OK ] ride_time <= 1800s (tripinfo.duration)
-- deadlines (lifecycle) --
[SKIP ] match ≤ 30.0s (not-evaluated (matching/accept events not modeled in SUMO yet))
[SKIP ] accept ≤ 5.0s (not-evaluated (matching/accept events not modeled in SUMO yet))
-- monitors --
[SKIP ] waiting_too_long (not-evaluated (observed attribute not exported by SUMO))
[SKIP ] low_battery_guard (not-evaluated (observed attribute not exported by SUMO))
[SKIP ] detour_guard (not-evaluated (observed attribute not exported by SUMO))
ここで実際に判定されるのは 2 つの guarantee 節だけです。deadline と monitor は一覧に出ますが、評価はされません。
guaranteesはtripinfo.xmlに照らして評価される。ride_timeはtripinfo.durationに直接対応する。waiting_timeはtripinfo.waitingTimeと比べているが、これは代理指標にすぎない。waitingTimeは車両が走行中に停止していた時間であり、乗客がタクシーを待った時間ではない。このパイプラインでは CSV の 1 行ごとに、乗車時刻に乗車地点へ車両を 1 台投入するので、乗客の待ち時間は発生せず、値は 30 件すべて 0 秒になる。したがって、この[OK]はモデルの作り上、常に成り立つ。deadlines(matching/accept)は SUMO 上に対応するイベントがないので未評価。monitorsは、乗客ごとのwaiting_time(Matchedの間)、battery、route_deviation_ratioを見ており、いずれも SUMO の標準出力にない属性なので未評価。
analyze_results.py の [OK] / [SKIP] の各行と cadl-explorer の図は、同じ CADL から派生したものです。
ブラウザで cadl-explorer を開きながら、次の対応関係を眺めてみてください。
| analyze_results.py の出力 | cadl-explorer 上の対応箇所 |
|---|---|
[OK] waiting_time <= 300s | 図には出ない(数値の保証条件は事後判定用) |
[OK] ride_time <= 1800s | 同上 |
[SKIP] match ≤ 30.0s | Requested → Matched の Δ 30s ラベル |
[SKIP] accept ≤ 5.0s | Matched → Accepted の Δ 5s ラベル |
[SKIP] waiting_too_long / low_battery_guard / detour_guard | Monitors テーブルの 1・2・3 行目 |
[SKIP] は失敗ではなく、「SUMO にはこの観測量が無い」という事実をそのまま表しているだけです。
このギャップを TraCI で埋める課題が §9 にあります。
8. 感度解析:契約条件を変えて再評価する(10 分)
このコースの肝になる章です。CADL の guarantee を書き換えるだけで、SUMO を再実行しなくても違反件数が変わることを確かめます。
# ride_time を 1800s → 100s に書き換え (試験用)
sed -i.bak 's|ride_time <= 1800s|ride_time <= 100s|' cadl/mobility_sos.cadl
# IR を再生成 (シミュ再実行は不要)
cadl sim-ir cadl/mobility_sos.cadl --format json > cadl/mobility_sos.ir.json
python scripts/cadl_to_sumo.py
# 既存の SUMO 結果に対して再評価
python scripts/analyze_results.py | grep -E "OK|VIOLATED"
期待される結果(SUMO 1.28.0 では違反 12 件。違反件数と該当タクシーの並びは、乱数シードや SUMO のバージョンによって変わります。着目すべきは waiting_time が OK で ride_time が VIOLATED になる、という内訳の形です):
[OK ] waiting_time <= 300s (tripinfo.waitingTime)
[VIOLATED (12)] ride_time <= 100s (tripinfo.duration e.g. ['taxi_8', 'taxi_9', 'taxi_10', 'taxi_11', 'taxi_14'])
OK: 分析完了。
最後の行はスクリプトの終了メッセージです。OK で始まるので grep のパターンに一致します。
analyze_results.py を実行する前に、cadl-explorer をリロードしてみてください。
今回書き換えたのは guarantee の値(ride_time <= 1800s から 100s)だけで、lifecycle: や monitors: には触れていません。
そのため、状態機械の図そのものは §4 と同じです(状態数も遷移数も Δ ラベルも変化なし)。
状態機械を変えたいときは transitions: を編集する必要があり、その例は演習 4-1 で扱った通りです。
このチェックポイントの狙いは、CADL を編集した直後にブラウザに戻り、判定を駆動しているのが同じ CADL ソースであることを目で確認することにあります。 それが次の三者の対応関係につながります。
CADL ソース (mobility_sos.cadl)
│
├── 図 (cadl-explorer) ← 仕様を眺める
├── 実行 (SUMO) ← 動的な挙動
└── 判定 (analyze_results.py) ← guarantee の判定
この往復が、CADL を起点にした SoS 設計のフィードバックループです。
最後に元に戻すのを忘れずに。
mv cadl/mobility_sos.cadl.bak cadl/mobility_sos.cadl
cadl sim-ir cadl/mobility_sos.cadl --format json > cadl/mobility_sos.ir.json
python scripts/cadl_to_sumo.py
9. 改造課題(任意)
| 課題 | ヒント |
|---|---|
match の deadline を 30s から 10s に厳しくしたとき、何件が現実的に間に合うか調べる | SUMO には match イベントがなく(CSV の 1 行が車両 1 台)、cadl_to_sumo.py は IR を読むだけなので、この行は [SKIP] のままです。analyze_results.py を拡張し、tripinfo.xml の departDelay を代理指標として使います。サンプルデータでは 30 件すべて 0 秒なので、まず match イベントを何と定義するかを決めてください |
num_taxis を 10 から 5 に変えて、何かが変わるかを調べる | SUMO のパイプラインは num_taxis を使っていません(需要は CSV から来て、1 行が車両 1 台)。変更後も tripinfo.xml の 30 件の <tripinfo> 行は同一です(生成日時を含む先頭のコメントだけが変わります)。summary.xml の running の時系列(サンプルデータでは最大 2)から、この需要に必要な台数と、capacity 違反が現れるには何をモデル化する必要があるかを論じてください |
新しい monitor surge_pricing_guard を追加し、ツールチェーンのどこまで届くかを追う | YAML の monitors: に追記して IR を作り直す。IR(monitor が 4 件)、cadl-explorer の Monitors テーブル、analyze_results.py の [SKIP] 一覧に現れることを確認します。このパイプラインは monitor の rule を評価しないので、発火の様子はまだ観察できません |
| A/B の可視化比較:改訂前と改訂後の設計を見比べる | cadl-explorer の Designer ページで .cadl を開き、Versions で版を保存してから改訂後のファイルを開き、そこで二つを比較する。Compare two designs の A — baseline に保存した版を選び(初期値が同梱の例題になっていることがある)、B は現在の設計にする(構造の差分とソースの差分)。Lifecycle 図を並べて見たいときは、Contract Lifecycle ページをブラウザの 2 つのタブで開き、それぞれに別の IR をアップロードする(別ポートで 2 つ起動する必要はありません) |
[SKIP] のひとつを評価可能にする:TraCI で SUMO の信号を読み、match deadline を実測する | pip install eclipse-sumo だけでは traci を import できません。pip install traci を実行するか、import sumo のあとで os.path.join(sumo.SUMO_HOME, "tools") を sys.path に追加します(pip でのインストールではシェル変数 $SUMO_HOME は設定されません)。traci.vehicle.getDeparture(vehID)(または traci.simulation.getDepartedIDList())を読み、CSV の pickup_time との差を計算します。これは投入遅延であり、match の代理指標(サンプルデータでは 0 秒)です。モデル化された match イベントではありません |
まとめ
コース A では CADL → Unity C# を、コース B では CADL → SUMO を扱いました。
同じ CADL/SoS-DSL の文法のまま、対象ドメインとランタイムを差し替えられることが体感できたはずです。
契約の deadline / guarantee / monitor は CADL ソースの 1 箇所に書かれ、cadl sim-ir が出力する IR を通じて各ツールに届きます。ただし、そのうちどこまでを評価できるかはランタイムによって異なります。このコースの SUMO パイプラインが評価するのは guarantee 節だけで、deadline と monitor は、対応する観測量が SUMO に無いため [SKIP] と報告されます。
CADL の guarantee を書き換えて解析をやり直せば、再シミュレーションなしに既存の結果を再評価できます。SoS 設計に向いた、安くて速いフィードバックループです。
参考
- コース A(ロボット配送): main-textbook.md
- 演習問題集: exercises.md
- SoS-DSL 仕様: cadl-spec Appendix E
- SUMO 公式: https://eclipse.dev/sumo/