ITRON Newsletter No.18 (HTML Edition)

(社)トロン協会 ITRON専門委員会
〒108 東京都港区三田1丁目3番39号 勝田ビル5階
TEL: (03) 3454-3191 FAX: (03) 3454-3224

ITRON関連書籍の一覧

1995年12月1日時点で、ITRON専門委員会が編集し、発行されているITRON関連 の書籍は別表の通りです。ITRON・μITRON標準ハンドブックは、μITRON (Ver 2.0)と ITRON2 の仕様書を1冊にまとめたものです。ご希望の方は、各発売元 にお問い合わせ下さい。

μITRON3.0仕様の最新バージョンは、Ver 3.02.00 です。μITRON3.0標準ハン ドブック (Ver 3.00.00) からの改訂点は、ITRONニュースレター No.5 および No.11、 または ITRON標準ガイドブック2 に掲載されています。

ITRON標準ガイドブック2は、μITRON3.0仕様をメインのターゲットとして 作成されています。ITRON標準ガイドブック'92-'93 は、タイトルの1992〜93 年という期間を過ぎていますが、μITRON仕様(Ver 2.0) や ITRON2仕様を 使われている場合には、現在でも有効に活用できます。

ITRON関連書籍一覧
書籍名 分類 価格 発売元 発行年 ISBN番号
ITRON・μITRON標準ハンドブック 和文仕様書 4,800円 パーソナルメディア 1990 ISBN4-89362-079-7
μITRON3.0標準ハンドブック 和文仕様書 4,000円 パーソナルメディア 1993 ISBN4-89362-106-8
ITRON/FILE標準ハンドブック 和文仕様書 3,000円 パーソナルメディア 1992 ISBN4-89362-092-4
ITRON標準ガイドブック'92-'93 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1992 ISBN4-89362-197-6
ITRON標準ガイドブック2 和文参考書 3,500円 パーソナルメディア 1994 ISBN4-89362-133-5
μITRON Specification Ver 2.01.00.00 英文仕様書 12,000円 トロン協会 1989
ITRON2 Specification Ver 2.02.00.10 英文仕様書 15,000円 トロン協会 1990
μITRON3.0 Specification Ver 3.02.00 英文仕様書 トロン協会 1994
※ 価格には消費税を含みません。
※ トロン協会発売の書籍には、トロン協会会員向け価格が設定されています。
※ 英文仕様書は、ここから取得できます。

μITRON3.0互換性チェックシート正式版の公開について

ITRON専門委員会では、μITRON3.0仕様に準拠して実装された OS の互換性を チェックするためのチェックシートを作成する作業を、昨年度より行っており、 7月にはそのβ版を公開し、一般の方からの意見を求めてまいりました。10月 末を持ちまして意見の応募期間を一応終了し、この度、頂いたご意見を反映さ せた正式バージョンを公開できることになりました。意見をお寄せ頂いた方々 に、この場を借りてお礼申し上げます。

互換性チェックシートの正式版は、ここ から取得できます。

μITRON3.0互換性チェックシートは、ユーザがμITRON3.0仕様に準拠して実装 された OS の比較検討を行う際の資料としたり、応用プログラムを移植する際 の目安とすることを主な利用目的として作成されています。具体的には、μ ITRON3.0仕様で、オプションとなっている仕様をどれだけ実装しているかや、 選択可能な仕様のどれを採用しているかが、容易に把握できるように工夫して 作成されています。また、チェックシートを機械的に読み込めるようにするこ とで、OS の持つ機能が一目でわかる表の形式や、複数の OS を比較するため の比較表の形式への機械的な変換ができるように工夫しています。

今後の予定として、ITRON関連製品登録制度の見直しを行い、μITRON3.0仕様 OS を登録する場合にチェックシートの提出を義務付け、ユーザに提供したい と考えています。

中国における ITRONセミナーの報告

ITRONニュースレターNo.16 でもお知らせし ました通り、ITRON専門委員会では、ITRON仕様の海外への広報活動の一環とし て、中国において ITRON仕様に関するセミナーを開催しました。同じ内容の 1 日セミナーを、10月16日(月)に北京で、10月18日(水)に上海で行いました。ま た、10月20日(金)には、香港において、日本メーカの現地法人に対する報告会 を行いました。いずれのセミナーにも多数の参加者が集まり、成功裏にセミナー を終了することができました。

セミナーのプログラムは次の通りです。今回は中国における初回のセミナーと いうことで、ITRON仕様に関する話題を網羅的にカバーするようなプログラム としました。

  1. TRONプロジェクトの概要
     坂村 健 (東京大学)
  2. 日本における組み込みシステムの現状と ITRON
     田丸 喜一郎 ((株)東芝)
  3. ITRON仕様の概要
     工藤 健治 (富士通デバイス(株))
  4. ITRON仕様OSの使い方
     亀井 達也 (三菱電機(株))
  5. ITRON仕様OSの作り方
     高田 広章 (東京大学)
  6. 中国における組み込みシステムの現状
     北京: 孟 慶余 (CS & S)
     上海: 夏 雨人 (上海交通大学)
  7. 質疑応答
ITRON専門委員会では、中国やその他のアジア地区における広報活動に、来年 以降も継続的に力を入れて行きたいと考えています。

マイコンシステム&ツールフェア報告

(社)トロン協会では、11月8日(水)〜10日(金) の 3日間、コンベンションセン ターTOKYO (池袋サンシャインシティ) で開催されたマイコンシステム&ツール フェア'95 において、ITRON仕様関連の展示を行うとともに、併設のシン ポジウムにおいて ITRON仕様に関する講演を行いました。マイコンシステム& ツールフェアは、名前の通り、組み込みシステムのためのマイコンシステムや 開発ツールを中心とした展示会で、(社)日本システムハウス協会の主催で毎年 開催されているものです。

ITRON仕様に関する講演は、11月9日(木)に池袋サンシャインシティプリンスホ テルにおいて開催された「特別 企画 RTOS シンポジウム」の特別講演として、ITRON専門委員会委員長で ある (株)東芝の田丸喜一郎氏によって行われました。講演のタイトルは「組み込みシステム環境とリアルタ イムOSの動向 −ITRON仕様を中心に−」で、小規模な組み込みシステムの 現状と問題点の指摘から始めて、μITRON仕様の設計方針とその現状、μITRON 仕様カーネルの実装技術、今後の展望についての紹介がなされました。同シン ポジウムには、当初の定員 (250名) をはるかに越える約550名の参加者が集ま り、ITRON仕様の広報に大きな成果を上げることができました。

TRONプロジェクト国際シンポジウム報告

ITRONニュースレターNo.17 でもお知らせし ました通り、11月30日, 12月1日の両日にホテル ホリデイイン横浜 (横浜市中 区) で開催された第12回 TRONプロジェクト国際シンポジウムにおいて、ITRON に関連する論文発表が 3件行われました。ITRON に関するセッションは 11月 30日の夕方に行われましたが、いずれの発表に対しても、参加者から質問やコ メントが出され、有意義なセッションとなりました。TRONプロジェクト国際シ ンポジウムに関する詳細は、TRONWARE vol.37 に掲載されている報告記事を参 照下さると幸いです。

また、それに先立つ 11月29日には、TRONSHOW'95 の会場 (東京デザインセン ター; 東京都品川区) において、ITRON専門委員会からのプレゼンテーション として、「組込用リアルタイムOS ITRONの最新の話題」というタイトルの講演 が東京大学の高田広章氏によって行われました。講演では、ITRON仕様の概要 について簡単に紹介した後、ITRON専門委員会の今年の活動について、海外へ の広報活動とμITRON3.0互換性チェックシートについての紹介がなされま した。


※ このニュースレターは、TRONWARE vol.37 および TRON PROJECT BIMONTHLY No.42 に掲載されたものを、WWW で公開するために再編集したもの です。

- Back to the list of ITRON Newsletter (Japanese Version)
- Back to ITRON Home Page (in Japanese)